成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地 ボランティアの環境エンリッチメント講習会
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  • 時間:2018-01-23

時が流れても、初心忘れるべからず

——成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地 ボランティアの環境エンリッチメント講習会

 

 時は歩みを止めることがなく、2018年という新たな年がまたスタートしました。新年早々、成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地(以下、パンダ基地)では、ボランティアたちの動物の福祉と環境エンリッチメントの講習会を開催しました。パンダ基地の動物管理部の専門家が科学普及ボランティアたちに向け環境エンリッチメントの講習会を行うのは、今回が初めてです。パンダ基地は、日頃から、環境エンリッチメントに強い関心を持ち続けてきました。動物福祉の向上の目的の下、動物の飼育環境に設備を増やしたり、その生活環境に改良を加えることで、動物の行動範囲の拡大や行動の多様化に繋がります。また、動物の自然な行動を引き出すことで常同行動の減少にも繋がり、動物の心身の健康を保持しながら、生理的、心理的需要を満たすことが可能となります。

 2018年1月6日、パンダ基地にて当イベントが開催され、30名近くの在籍ボランティアが参加しました。イベントでは、ボランティアたちが、専門的な環境エンリッチメントの講習を受けました。その中で、行動馴化のゲームやエンリッチメントのための道具の作成に取り組みました。また、今回のイベントの様子は、ライブ配信され、ネット上の多くの人々の関心を集めていました。

 イベント当日の午前、パンダ基地の動物管理部の袁博氏を講師に迎え、ジャイアントパンダの環境多様化と行動馴化をテーマとした講習会が行われました。袁氏は、ユーモアたっぷりに、環境エンリッチメントに関する難しい言葉もわかりやすく生き生きとした言葉で解説すると、ボランティアたちは熱心に耳を傾けていました。その後、ジャイアントパンダの行動馴化の動画を鑑賞しました。ボランティアたちは、動画やゲームを通じてジャイアントパンダの行動馴化の意義について理解を深め、楽しみながら行動馴化の重要性を学んでいました。

 

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講師によるジャイアントパンダの環境多様化と行動馴化の講習

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講師の説明のもと、ゲームを通じて行動馴化を学ぶ様子

 

 講習会終了後には、ボランティアがいくつかのチームに分かれ、環境エンリッチメントの道具作りについて話し合いを始めました。道具は、「より自然なもの」「安全であること」、この2つの大原則に基づいて作成する必要があります。ボランティアたちは、竹筒、板、太さの異なる麻紐、釘などの材料や、電動ノコギリやドリルなどの工具を用いて、自分たちがデザインした道具の制作に取り掛かりました。ボランティアは、力を合わせながら熱心に手を動かしていました。その楽しそうな笑い声は、厳しい寒さの中に温もりをもたらしました。

 

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デザインについて相談し合う様子

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専門家によるデザインのアドバイスを受けている様子

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環境エンリッチメントの道具を制作する様子

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環境エンリッチメントの道具を制作する様子

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電気ドリルを使って板に穴を開けるボランティア

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自分たちの作品と記念撮影

 

 午後、ボランティアたちは、自分たちが制作した道具を持ってジャイアントパンダの獣舎に集合しました。そして、2名の飼育員が、道具の審査を行い、さらにそれぞれの道具に対して改善点を挙げました。その後、最優秀作品とアイデア賞の2作品が選出されました。残念ながら、それ以外の作品は入賞を逃してしまいましたが、ジャイアントパンダに対する熱意と貢献の心掛けが一番重要なのだと飼育員は話していました。

 

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グループごとに作成した道具の解説をする様子

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ボランティアに道具の改善点を伝える飼育員

 

 そして、飼育員が、優勝した作品を消毒し、その中に細かく切ったリンゴと竹の葉を詰め、それを運動場の木の枝にぶら下げました。ジャイアントパンダの「績麗」(ジーリー)は、運動場に出てくると、すぐに道具に興味を示し、しばらく探索した後、中のリンゴを食べ始めました。「績麗」は、ボランティアの作った道具がよほど気に入ったのか、リンゴや竹の葉だけでは飽き足らず、道具の竹筒ごとお腹に収めていました。

 

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ボランティアが制作した道具をジャイアントパンダの運動場に設置する飼育員

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新しい道具に興味を示すジャイアントパンダ

 

 イベントの最後には、ボランティアたちは、イベントの感想を口々に話しました。パンダ基地の飼育員の仕事の様子に感心したと話す人もいれば、今回のようなイベントや保護教育に関する講習会の継続的な開催を望む声も上がりました。《老子》に「合抱之木,生于毫末」(巨木もごく小さな若芽から生じる)という言葉があります。皆さんも初心を忘れず、堅実に歩みを進めてください。ジャイアントパンダの保護に向け、小さな事から地道に取り組み、彼らの健やかな成長のための美しく棲みよい環境づくりに努めましょう。

 

 

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