成都パンダ基地の研究員が、ジャイアントパンダがタケを食べる謎を解明する論文を発表 インパクトファクター9.664の雑誌に掲載され、高評価を得る
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  • 時間:2018-03-08

  ジャイアントパンダは、中国の国宝です。また、絶滅危惧種を代表する動物であり、最もユニークな動物と言えます。彼らは、なぜ、肉食動物のような歯を有しながら、タケを好んで食べるのでしょうか?これは、きっと、多くのパンダファンたちが解き明かされるのを待ちわびている「100万年の謎」と言えるでしょう。
  2018年2月1日、成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地(以下、成都パンダ基地)の研究員、張文平氏の論文「Age-associated microbiome shows the giant panda lives on hemicelluloses, not on cellulose」(各年齢におけるマイクロバイオームデータから分かった、ジャイアントパンダはセルロースではなく、ヘミセルロースに頼った生態について)が、世界の一流学術誌「The ISME Journal」(国際微生物生態学会誌)に掲載されました。2016年度の、当学会誌のインパクトファクターは9.664ポイントに達しており、世界の微生物学の研究分野における、代表的な雑誌と言えます。今回、この論文が掲載され、ジャイアントパンダがタケを食べる謎がついに解き明かされました。
  成都パンダ基地の研究員らは、ジャイアントパンダの糞の分析を通じて、ジャイアントパンダの腸内フローラには、タケの繊維質を分解する機能がないことを発見しました。それにより、ジャイアントパンダは、セルロースではなく、主にタケに含まれるデンプン、ヘミセルロース、ペクチンなどから必要なエネルギーを摂取しているということが明らかになりました。
  この度、「The ISME Journal」のオンライン誌に掲載された研究論文には、ジャイアントパンダがタケを主食に選んだ理由が挙げられています。その1つ目は、自然界において、他の植物と比較すると、タケは広範囲に分布しており、ジャイアントパンダにとって食物を奪い合う競争相手が少ないことが挙げられます。2つ目には、他の木本植物と比較すると、タケにはデンプンが豊富に含まれていることが挙げられます。3つ目は、タケの各部位に含まれるデンプン量が季節ごとに変化することです。ジャイアントパンダは、常に、デンプン含有量が最も高いタケの部位を選んで食べています。デンプンとヘミセルロースを最も多く含んでいるのがタケノコです。また、タケの成長はとても早く、1年に2度タケノコの季節が訪れます。この時期は、ちょうど、ジャイアントパンダの発情期と出産シーズンに当たり、彼らは、優先的にタケノコを食べるのです。タケノコに多く含まれるデンプンとヘミセルロースは、ジャイアントパンダの発情期や子育ての際の体力補給には必要不可欠で、体重の増加にも繋がります。タケノコや柔らかいタケの葉が無い冬季においては、デンプンと可溶性糖の含有量が1年においてピークに達するタケの幹(正式には「稈」)を採食します。
  世界的な一流学術誌の「The ISME Journal」には、毎年約1500篇の論文が送られてきます。そのうち、実際に発表されるのは、わずか200篇ほどです。その掲載率は全体の14%にも及ばず、多くの論文が発表されません。成都パンダ基地主導で行われたこの度の研究、および発表された論文は、国際的に大きな評価を得ました。今回の研究は、北京Novogene生物情報科学技術有限会社、アメリカのアイオワ州立大学、四川大学、成都メタンガス化学研究所などの機関も協力し、中国国家科学技術サポートプログラム、成都ジャイアントパンダ繁殖研究基金プロジェクト、四川省科技庁応用基礎プロジェクト、成都パンダ基地自立プロジェクトからの資金援助を受けました。
  成都パンダ基地は設立以来、絶えまない科学技術の創造を通じ、世界をリードする科学技術を用いたジャイアントパンダの繁殖・育成技術を掌握しながら、ジャイアントパンダの人工飼育と管理、各疾病予防、個体群の遺伝子管理などの難題をクリアしてきました。また、双子の人工哺育、人工繁殖、出血性腸炎の予防と治療、親子鑑定技術の確定など、ジャイアントパンダの域外保全における多くの難関を突破してきました。その結果、70項目以上の国や省、市レベルの技術発明や科学技術の発展に関する賞を受賞し、国内外の権威ある雑誌に400篇余りの学術論文を発表してきました。また、これまで得た発明特許や実用新案特許は14項目に及びます。現在まで、計8冊の専門書籍を出版しており、これらの功績に対し、中国国内外の専門家らから大きな評価を得ています。
 







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