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ジャイアントパンダの「福福」(フーフー)の睾丸腫瘍の手術と術後の状況について

時間:2019-03-21 16:03:15 シェア:

 

 2019年1月、成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地(以下、成都パンダ基地)の獣医師がジャイアントパンダの「福福」の定例身体検査を行った際、左側の睾丸が肥大かつ硬変していることが分かりました。その後のエコー検査の結果、左の睾丸のエコーに乱れが見られたことから、腫瘍ができているとの初期診断が下されました。これまで、各国における飼育下のジャイアントパンダの睾丸腫瘍の数例の報告はありましたが、成都パンダ基地では初めての症例です。成都パンダ基地は、ドイツの動物繁殖学と中国の原子力工業集団416病院の専門家を招待し、さらに詳しく診察した結果、左の睾丸に腫瘍ができていると正式に診断が下されました。

 その後、成都パンダ基地の獣医師により左の睾丸の切除手術を行うことが決定されました。腫瘍の他の部位への転移を防ぐためと、腫瘍の性質検査を行うためです。手術前に実施した「福福」の血液検査、超音波検査、DR検査(デジタルラジオグラフィー)などの結果、腫瘍の全身への転移は認められず、手術を行える状態であると判断されました。獣医師と原子力工業集団416病院の普通外科の劉偉主任の度重なるディスカッションと回診を経て、「福福」の左の睾丸の切除手術プランが定められ、手術中と手術後に起こりうる緊急事態と合併症に向けた緊急対応マニュアルの作成が進められました。そして、2019年2月22日午後、成都パンダ基地の手術室で「福福」の左睾丸切除手術が執り行われました。手術中、「福福」の各指標は正常を示し、容態も安定していました。1時間にも及んだ手術は、無事に終了しました。手術終了から40分後、「福福」は立ち上がって歩行を始め、6時間後には食欲や行動なども正常な状態に回復しました。

 野生動物にとって、術後の傷口からの感染予防は最優先の課題です。麻酔から目覚めた「福福」は、何度も傷口を引っ掻こうとしました。成都パンダ基地の動物管理部、動物疾病予防コントロール部、研究センターのスタッフで結成された術後ケアチームは、「福福」を24時間体制で見守り、常に清潔で乾燥した獣舎を保ち、傷口の消毒処理を定期的に行いました。獣医師は、毎日、無麻酔の状態で「福福」の採血や傷口の回復状況を細かく記録し、今後の飼育管理や投薬方法などを調整していきました。その結果、現在、「福福」は精神状態、採食状況、行動、排泄物などすべて正常で、糞の量も手術前と同等にまで回復しました。血液中の各指標も正常値を示しており、傷口も順調に完治に向かっています。

 「福福」の腫瘍切除後、直ちにサンプルを3か所の実験室にそれぞれ送り、病理診断が行われました。その結果、精原細胞腫瘍ということが分かりました。精原細胞腫瘍は悪性の腫瘍ですが、この種の腫瘍は、一般的に術後の経過は良好であると言われています。成都パンダ基地は、今後も「福福」の定期検査の実施や右側の睾丸の経過観察も継続して行います。


 













 

 

現在までのジャイアントパンダの睾丸腫瘍の主な治療例:
2018年11月、イギリス・エディンバラ動物園の「陽光」(ヤングアン)が睾丸腫瘍により睾丸切除手術を受ける。
https://global.chinadaily.com.cn/a/201811/29/WS5bfec564a310eff30328ba30.html
2014年5月、アメリカ・サンディエゴ動物園の「高高」(ガオガオ)が睾丸腫瘍により睾丸切除手術を受ける。
http://www.ecns.cn/news/cns-wire/2018-11-01/detail-ifyzmsck5340545.shtml
1997年、アメリカ・ワシントン動物園の「星星」(シンシン)が睾丸腫瘍の治療手術を受ける。
http://edition.cnn.com/EARTH/9704/23/panda.cancer/index.html



 

 

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