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ジャイアントパンダの口腔・歯科検診を実施 ジャイアントパンダの福祉向上に向け

時間:2019-09-29 14:21:44 シェア:

 

 ジャイアントパンダは、800万年前から地球上に生息していることから、“生きた化石”と称されています。また、彼らは、世界の生物多様性保護を代表する動物です。歯は、動物にとって重要な消化器官の1つであり、歯の健康は野生動物の生存に大きく関わります。ジャイアントパンダはタケを主食とする動物です。しかし、タケは非常に硬いため、ジャイアントパンダの歯は摩耗しやすくなっています。もし、歯に問題が生じても、他の食物で代替するのが困難なため、歯のケアや口腔医療はジャイアントパンダの臨床医学において必要不可欠な分野と言えます。

 2019年9月2日、ジャイアントパンダの歯科の臨床技術・応用研究プロジェクトが成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地(以下、成都パンダ基地)で始動しました。マカオ・ジャイアントパンダ基金の資金提供を受け、南アフリカの獣医師で歯科専門家であるCedric Tutt博士を招待し、ジャイアントパンダの口腔・歯科検査が実施されました。これは、ジャイアントパンダの保護史上初の大規模なジャイアントパンダの口腔・歯科の健康診断です。成都パンダ基地の獣医師、Cedric Tutt博士を含めた中国国内外の専門家らは、口腔の衛生、歯の発育、歯内や歯髄、歯周など、ジャイアントパンダに多くみられる口腔内の疾病の詳しい検査に加え、歯のX線と3Dスキャン撮影などを行いました。

 9月3日、成都パンダ基地の専門家とCedric Tutt博士は、ジャイアントパンダの臨床検査を実施しました。その結果、選出された20頭のジャイアントパンダのうち、一部のジャイアントパンダに軽度の歯肉炎や歯石、歯の摩耗が見られました。また、中度の歯の変色も確認されました。その変色は、歯の表面ではなく歯の内側に見られたため、再びX線検査を行ったところ、変色はあるものの健康な状態であることが分かりました。その他にも、ある個体は、歯の摩耗により歯髄が露出していたため、今後の根管治療が必要になります。今回、検査を受けたジャイアントパンダの歯や歯肉は、全体的に見て、おおむね良好な状態でした。

 成都パンダ基地の獣医師は、今回の口腔・歯科検診から得られたデータは、今後のジャイアントパンダの口腔疾病の予防と治療、および彼らの歯の健康管理に大いに役立つと話しています。ジャイアントパンダの歯科の臨床技術・応用研究プロジェクトは、ジャイアントパンダの域外保全における新たな取り組みとして、健康な歯を維持するための治療技術やジャイアントパンダの福祉向上にも繋がることでしょう。

 

 
























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