キッズ解説員のトレーニングキャンプ ― 実践編
近年、科学研究スタッフや野生動物保護機関の力だけでは絶滅危惧種を救うことはできず、生物多様性保護の普及における最も有効的な手段の1つは、教育活動であるという考えが世界中で強まっています。教育という方法を通じて、環境保護への関心や日常生活の改善を人々に呼びかけることで、環境改善の根本的な解決に繋がるのです。キッズ解説員のトレーニングプロジェクトは、解説員である子供たち自身が学ぶだけではありません。計画的なトレーニングと実践を踏まえた解説に多くの子供たちやその家族が耳を傾けることによって、動物保護に対する関心が高まり、日常生活のあらゆる場面で環境に優しい行いができるよう、期待が込められています。
知識と技能トレーニングに続き、翌週の11月23日には、2回目のトレーニングキャンプ ― 実践編がジャイアントパンダの運動場エリアで行われました。
子供たちは、初めて基地を訪れる観光客に扮した講師らを相手に、各エリアで暮らすジャイアントパンダの個体情報や、休息、採食、飲水などを含む様々な行動について解説しました。ジャイアントパンダを鑑賞しながら子供たちの解説を聞いていた講師らは、子供たち一人一人に指導とアドバイスをしていました。子供たちは、事前に準備していた解説原稿をもとに、その場で内容を随時付け加えたりしながら、分かりやすく流暢に説明していました。
講師らが子供たちに指導している間、別の子供たち同士で解説をし合う場面も見られました。子供たちは、お互いに意見交換をしたり励まし合いながら、しきりに解説の練習をしていました。
また、意気揚々と観光客に自らの解説の腕前を披露し、アドバイスを求める積極的な子供たちの姿も見られました。
こうして、充実したトレーニングの1日がようやく終わりを迎えました。多くの子供たちは、初めこそ緊張や羞恥心があったものの、トレーニングを終えると、その姿は自信に満ち溢れているようでした。講師らは、次回の試験で子供たちが優秀な成績を収めてくれるよう期待を寄せていました。