成都パンダ基地と滎経県人民政府が合同戦略枠組み協定に調印 ジャイアントパンダ国立公園の建設を後押し
先日、成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地(以下、成都パンダ基地)と滎経県人民政府の、ジャイアントパンダの生態系保全事業の発展に向けた合同戦略枠組み協定の調印式が成都市で開かれました。調印式では、滎経県委員会書記の李蓉氏、成都パンダ基地書記兼主任の張志和氏が挨拶を述べました。
張志和氏は、挨拶の中で「成都パンダ基地は、これまで長きに渡り滎経県人民政府との協力関係を続けてきました。その一環として“四川省大相嶺ジャイアントパンダ野生復帰基地”を共同で設立し、ジャイアントパンダの野生復帰の研究や普及活動における成果を着実に得ています。今後も、双方が各々の資源の利点を十分に活用しながら、国立公園の建設をはじめ、ジャイアントパンダの保護、文化、教育、観光などの幅広い分野においての協力関係をより一層強め、我が国のジャイアントパンダの保護事業の発展を共に推し進めたいと考えています」と、述べました。
滎経県委員会書記の李蓉氏は、「この度の合同戦略協議の調印によって得られるものは、ジャイアントパンダの野生復帰訓練や大相嶺山系の野生のジャイアントパンダの個体群や野生復帰個体のモニタリングなどの共同研究の進展だけに留まりません。人々の環境保護に対する意識の向上や現地の貧困救済事業の発展にも繋がることでしょう」と述べました。
2017年、成都パンダ基地と滎経県人民政府が大相嶺山系のジャイアントパンダの保護に関する研究を開始して以来、双方は自身の利点や特徴を活かしながら共同プロジェクトに取り組み、目覚ましい成果を収めてきました。2018年12月には、「星辰」(シンチェン)と「和雨」(フーユー)の2頭のジャイアントパンダが野生復帰個体に選出され、四川省大相嶺ジャイアントパンダ野生復帰基地での生活を始めました。そして、ジャイアントパンダ国立公園設立を機に、今後のジャイアントパンダの生態系保全事業のさらなる発展に向け、この度の合同戦略協定の締結に至りました。
協議の結果、双方は今後もジャイアントパンダの野生復帰や大相嶺山系の野生個体群や野生復帰個体のモニタリングなどの共同研究を基盤とし、 ①四川省大相嶺ジャイアントパンダ野生復帰基地の完成と改善 ②環境保護教育の推進と現地住民の環境保護意識の向上 ③現地の貧困救済事業の展開 ④ジャイアントパンダ国立公園入口のコミュニティモデルエリアや人と自然の調和のとれた共存モデルエリアの構築 等にも取り組んでいく意向で合意しました。