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「2019年度 ジャイアントパンダ繁殖技術委員会年会」が成都市で開催

時間:2019-11-27 21:40:09 シェア:

 

 先日、ジャイアントパンダの繁殖・育成とその技術の研究が主要テーマの「2019年度 ジャイアントパンダ繁殖技術委員会年会」が、中国林業草原局野生動植物保護司指導、中国動物園協会主催、成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地(以下、成都パンダ基地)運営、四川省ジャイアントパンダ科学研究院と成都ジャイアントパンダ繁殖研究基金会の協賛のもと成都市で開催され、11月12日の午前には開幕式が行われました。

 開幕式では、中国林業草原局、中国動物園協会、四川省林業草原局、成都市政府の代表らがそれぞれ挨拶を述べました。また、中国国内からは、中国林業草原局、四川省林業草原局、成都市人民政府、成都市公園都市建設管理局などの政府関係機関をはじめ、中国動物園協会、中国野生動物保護協会などの関連機関や、中国科学院動物研究所、軍事科学院軍事獣医研究所などの著名な研究機関、中国ジャイアントパンダ保護研究センター、陝西省希少野生動物救護飼育研究センター、北京動物園などのジャイアントパンダの域外保全機関、杭州動物園、上海動物園などの23のジャイアントパンダの飼育展示機関、四川大学や成都電子科技大学などの7つの共同研究大学、四川省の栗子坪自然保護区と滎経県大相嶺自然保護区などの代表者らが参加しました。中国国外からは、和歌山県の南紀白浜アドベンチャーワールド、ドイツのベルリン動物園、フランスのボーバル動物園、デンマークのコペンハーゲン動物園、アメリカ合衆国のサンディエゴ動物園など、中国と共同繁殖研究プロジェクトを展開している18の機関に加え、アメリカ合衆国のアイオワ州立大学やスミソニアン保護生物学研究所、ドイツのライプニッツ学会をはじめとする14の共同科学研究大学や機関など、各国のジャイアントパンダの保護機関や共同研究機関の代表者や専門家など、計360名余りが開幕式に出席しました。

 1989年に第1回が開催されたジャイアントパンダ繁殖技術委員会年会は、今年で29回目を迎え、ジャイアントパンダの保護研究分野における重要な交流の場になっています。

 最新のジャイアントパンダのデータが発表される ジャイアントパンダの飼育個体数が600頭に到達

 開幕式では、中国林業草原局野生動植物保護司一級巡視員の賈建生氏から、ジャイアントパンダの最新データが発表されました。2019年には、37頭のジャイアントパンダが計60頭を出産し、そのうちの57頭が元気に育っています。世界の飼育個体数は600頭に到達し、前年から飼育個体数は52頭増加し、その増加率は9.31%に達します。ジャイアントパンダの飼育個体数が再び最高数値を更新し、健康的で活力に溢れ、発展継続可能な飼育個体群がほぼ確立されていると言えます。また、これを基準にした野生個体群の復興促進のためのジャイアントパンダの野生復帰プロジェクトも着々と進められています。成都パンダ基地をはじめとする研究機関は、技術革新を推進し続け、四川省絶滅危惧野生動物保護生物学重点実験室を設立しました。そして、数十か所の国際保護機関や組織と提携し、これまでに100項目近くの中国の国家特許や重要科学技術成果の獲得に成功しています。ジャイアントパンダの交配、繁殖、育成における難題の突破に成功し、中国国内の個体のペアリングを通じて遺伝子交流の促進を図り、ジャイアントパンダの遺伝子学研究とその管理のさらなる強化に努めています。

 ジャイアントパンダ発見150周年 四川省のジャイアントパンダの保護と生態文化が共に歩む

 四川省林業草原局の包建華副局長は、挨拶の中でこう述べられました。「今年は、ジャイアントパンダ発見150周年に当たり、ジャイアントパンダ国立公園の試験的建設の重要な年でもあります。四川省に生息する野生のジャイアントパンダは1300頭余りに達し、全生息数の75%を占めます。四川省は、過去から現在に至るまで、野生のジャイアントパンダの主要分布地域と言えるのです。中国建国以来、四川省はジャイアントパンダの保護と繁殖において積極的な探究と実践を繰り返し、ジャイアントパンダの“3大問題”の克服のため邁進してきました。天然林を保護し、耕地を森林に戻し、絶滅危惧動植物の保護やジャイアントパンダのコリドーの修復など、生息地の保護と修復に取り組み、国や省クラスの46のジャイアントパンダの保護区の建設を推し進めてきました。今年には、ジャイアントパンダ発見150周年を記念し、“2019年 中国四川省ジャイアントパンダ・インターナショナル・エコツーリズム・フェスティバル”や、“ジャイアントパンダの保護とエコ文明の構築、およびジャイアントパンダ発見150周年学術フォーラム”などが開催され、四川省ジャイアントパンダ科学研究院も発足しました」

 ジャイアントパンダの国際共同研究で好成績を収める 「ジャイアントパンダの都」プロジェクトも正式に始動

 成都市人民政府の張涛副秘書長からは、今年、ジャイアントパンダの「毛二」(マオアール)と「星二」(シンアール)が友好の使者としてデンマークに旅立ったことが紹介されました。その際、デンマーク女王のマルグレーテ2世がコペンハーゲン動物園のジャイアントパンダ館のテープカットを行い、中国とデンマーク両国の共同保護研究プロジェクトが正式に始動しました。9月1日には、ドイツで暮らす「夢夢」(モンモン)が双子を出産し、中国とドイツの共同研究が実を結びました。また、「ジャイアントパンダの都」と題した成都市北湖区域に建設予定の「パンダプラネット、および成都パンダ基地の拡張工事プロジェクト」が始動し、2021年5月の完成を目指しています。当プロジェクトにより、ジャイアントパンダの保護事業はさらに後押しされ、四川省のパンダ文化はより確固たるものになり、エコ文明の構築に有益に働くことでしょう。

 ジャイアントパンダ繁殖技術委員会年会の意義の重要性高まる 国立公園の明るい未来

 中国動物園協会の謝鐘副会長は、挨拶の中で、ジャイアントパンダの繁殖技術委員会年会は1989年の初開催以来、多くの責任者の関心や専門家の支援の下で絶え間ない発展を遂げ、ジャイアントパンダの保護研究分野における重要な交流の拠点になっていると言及しました。委員会年会は、ジャイアントパンダの保護や個体群の復興や繁栄の促進のための掛け替えのない役割を担い、ジャイアントパンダ以外の絶滅危惧種の保護にも大きく貢献してきました。近年来、中国政府は生態保護事業を非常に重視しており、習近平国家主席も「生態環境は人類の生存と発展の基盤であり、生態環境の改善は、すなわち文明の繁栄を意味する」と指摘しています。四川省、陝西省、甘粛省の3省を跨って建設されるジャイアントパンダの国立公園によって、ジャイアントパンダの生息地の生態資源が効率的に整理統合され保護を受けることで、より高度な生態系の安全障壁がもたらされると話していました。

 興味深く重要な情報が満載 ジャイアントパンダの保護事業は任重くして、道遠し

 成都パンダ基地研究センター主任の侯蓉氏は、ジャイアントパンダの専門家を代表し、本会議で最初に報告を行いました。報告では、今年度の事業の総括と課題に加え、来年度の業務計画や事業目標についても言及しました。侯氏は、「現在、ジャイアントパンダの飼育個体群は急速に増加しています。各管理機関に求められることは、ジャイアンパンダの健康と安全を大前提とし、適切な方法で飼育個体群の発展を目指すことです。科学的根拠をもとに、ジャイアントパンダの野生復帰訓練やその技術を確立し、ジャイアントパンダの保護事業の着実な発展に向けて努めなければなりません」と強調しました。

 続いて、中国科学院と発展途上国科学院の両院で学士院会員を務める魏輔文氏が「“天人合一” ― 2020年以降の生物多様性保護の枠組み」と題した報告を行いました。解放軍軍事医学科学院軍事獣医研究所の研究員で中国工程院の学士院会員である夏咸柱氏からは、「中国における犬の主要疾病の流行、その予防とコントロール」について、中国ジャイアントパンダ保護研究センターの党委員会副書記を務める張和民氏からは、「ジャイアントパンダの野生復帰の主要技術の研究」について、それぞれ報告がありました。

 専門家の知恵が集結 ジャイアントパンダなどの絶滅危惧種の保護事業を大きく後押し

 ジャイアントパンダにまつわる分野において高い影響力を有し、重要な意義を持つ当会議は、中国の国、省、市クラスの各代表者からも非常に高い関心が寄せられています。会議開催期間中、中国国内外から集ったジャイアントパンダの保護機関、研究機関、保護区や関連機関の代表者らによって、ジャイアントパンダの保護や繁殖、疾病予防やコントロール、内分泌、保護生物学について、また、野生復帰の訓練、ジャイアントパンダと同地域に生息する生物や生態系の保護、国立公園の建設など、ジャイアントパンダにまつわる様々なテーマについて討論や交流が行われました。会議を通じて、参加者らが共通認識を持つことで、ジャイアントパンダの域外保全と域内保全事業のさらなる発展に繋がることでしょう。

 

 








ジャイアントパンダ繁殖技術委員会年会主任の張志和氏の司会で進められた開幕式








中国林業草原局野生動植物保護司一級巡視員の賈建生氏による挨拶





四川省林業草原局の包建華副局長による挨拶





成都市人民政府の張涛副秘書長による挨拶





中国動物園協会の謝鐘副会長による挨拶


成都パンダ基地研究センター主任の侯蓉研究員による研究報告


中国科学院、発展途上国科学院両院の学士院会員を務める魏輔文氏による研究報告


解放軍軍事医学科学院軍事獣医研究所の研究員で中国工程院の学士院会員の夏咸柱氏による研究報告


中国ジャイアントパンダ保護研究センターの党委員会副書記を務める張和民氏による研究報告












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